筋肉痛は温めるのが基本。冷やす場面と、やってはいけない扱い方

筋肉痛は温めるのが基本です。冷やすのは、運動した直後で熱をもっていたり腫れていたりするときだけ。
そしてもうひとつ、痛いところを強く揉むのは逆効果です。傷ついた筋肉をさらに傷めてしまいます。
この記事では、痛みが引くまでの日数、温めるか冷やすかの判断、やってはいけない扱い方、そして受診すべきサインを順に説明します。
- 筋肉痛が起きるしくみと、痛みが引くまでの日数の目安
- 血行をうながして回復を助ける具体的なケアの方法
- 筋肉痛だと思っていたら危ない、受診すべきサイン
筋肉痛は、傷ついた筋肉を体が直している最中に出る

筋肉痛のしくみは、専門家の間でも完全には分かっていません。いま有力とされている考え方を説明します。
痛みのピークは2〜3日目。1週間ほどで治まることが多い
普段使わない筋肉を動かしたり、急に強い力をかけたりすると、筋肉に目に見えないほど小さな傷がつきます。
この傷を体が直そうとする過程で痛みを感じる物質が作られ、筋肉痛として出ると考えられています。
運動の直後ではなく、数時間から1〜2日たってから痛みが出るのが特徴です。
痛みのピークは2〜3日目。1週間もあれば自然に治まっていくことがほとんどです。
乳酸がたまるから痛い、という説明は今は使われていない
かつては、運動で出た乳酸が筋肉にたまるから痛いと言われていました。
ただ、乳酸は運動後すぐにエネルギーとして使われるため、筋肉痛の直接の原因ではないという見方が主流になっています。
何もしなくてもズキズキするなら、筋肉痛ではなくケガを疑う
筋肉痛は、動かしたときや触ったときに痛むものです。
| 見分ける点 | 筋肉痛 | ケガの可能性 |
|---|---|---|
| 痛み方 | 動かすと痛む | 何もしなくてもズキズキする |
| 見た目 | 変化は少ない | 関節が腫れている |
| 経過 | 数日で軽くなる | 安静にしないと悪くなる |
迷ったときはケガかもしれないと考えて、無理をしないほうが安全です。
温めるか冷やすかは、熱と腫れがあるかで決まる

筋肉痛を楽にする近道は、血行をうながして筋肉をゆるめることです。
ただ、温めるか冷やすかは状態で変わります。
| 筋肉の状態 | どうするか | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 重だるい、突っ張る、こわばっている | 温める | 38〜40℃の湯に10〜15分 |
| 運動した直後、熱っぽい、赤く腫れている | 冷やす | 保冷剤をタオルで包み15分 |
運動の翌日以降で筋肉が硬く感じるなら、温めるほうです。冷やしすぎると血行が悪くなるため、15分程度にとどめてください。
寝て過ごすより、痛くない範囲で軽く動くほうが早く楽になる
痛いからと一日中横になっているより、痛くない範囲で少し動くほうが回復が早いとされています。
- おすすめの動き:近所をゆっくり散歩する、入浴後に肩を回す、椅子に座ったまま足首を動かす
- 強さの目安:息がまったく上がらず、鼻歌が歌えるくらいの軽さで十分
- やめる目安:動かしていて痛みが強くなると感じたら、すぐにやめて休む
ストレッチは伸びているなと感じる程度で、15〜20秒とめる
筋肉が固まると血流が悪くなるため、やさしく伸ばします。
ただし筋肉痛のときは筋肉が傷ついている状態なので、やりすぎは禁物です。
- タイミング:入浴後、体が温まっているとき
- やり方:反動をつけず、ゆっくり15〜20秒かけて伸ばす
- 強さ:痛気持ちいいまで行かず、伸びているなと感じる程度。呼吸は止めない
ローラーやマッサージ機器は、痛い場所そのものを避けて使う
筒状のローラーやマッサージ機器を使うときは、当てる強さに気をつけてください。
- 気をつける点:筋肉痛の場所を力いっぱい押しつぶすと、傷ついた筋肉をさらに傷める
- コツ:痛い場所そのものではなく、その周りの筋肉をやさしくなでるように動かす
- 翌日に揉み返しが出るようなら、当てる力が強すぎる
電気で筋肉を動かす機器なら、力を加えずに済む
手で押すと力加減が難しいのが、揉みほぐしの悩ましいところ。その点、低周波治療器のように貼るだけで筋肉が動く機器なら、押しつぶす力がかかりません。
強さは、トントンと筋肉が動いて気持ちよいと感じるところまで。痛みを感じるまで上げないでください。
低周波治療器用のパッドを扱う通販サイトであるRYNEXT+では、汗をかいても使えるジェルシートも扱っています。なお、RYNEXT+は当サイト(ビリログ)とは別のサイトです。
食事、水分、睡眠でも回復の速さは変わる
- 食事:筋肉の材料になるたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)をとる。豚肉などに多いビタミンも役立つ
- 水分:血液の巡りをよくするため、こまめに水を飲む
- 睡眠:体を作り直すはたらきは寝ている間に進む。いつもより30分〜1時間多く寝る
回復を遅らせる4つの扱い方

よかれと思ってやったことが、回復を遅らせている場合があります。
痛みを我慢して重い負荷の運動を続ける
筋肉痛があるうちにさらに鍛えると強くなる、という考え方はおすすめできません。
痛みを我慢して動くと変なくせがついたり、別の場所を痛めたりします。痛む場所は休ませるのが基本です。
痛いところをゴリゴリ揉みほぐす
強いマッサージは、筋肉の繊維をさらに壊してしまう可能性があります。
痛いのを我慢して揉めば治る、というのは誤りです。やさしくさする程度にとどめてください。
反動をつけて強く伸ばす
反動をつけて強く伸ばすと、筋肉が驚いてかえって硬くなります。
筋肉痛のときはとくに繊細な状態なので、静かに伸ばしてください。
お酒を飲む、痛み止めを自己判断で続ける
お酒を飲むと、体はアルコールの分解を優先します。そのぶん筋肉の修復が後回しになります。
痛み止めは一時的に楽にしてくれますが、傷を治す薬ではありません。胃を荒らす原因にもなるため、続けての使用は避けてください。
尿の色が茶色くなったら、すぐに受診する

ほとんどの筋肉痛は自然に治ります。ただ、まれに大きなケガや病気が隠れていることがあります。
筋肉が急に壊れる状態のサインは、尿の色に出る
次の症状は、筋肉が急に壊れてしまう状態(横紋筋融解症)の可能性があります。
- 尿の色が茶褐色、または濃い紅茶のような色になった
- 力が入らない、手足がしびれる
- 全身がぐったりして、熱がある
腎臓に深刻な負担がかかる恐れがあるため、すぐに内科か救急外来を受診してください。
1週間たっても引かない場合は、整形外科で調べてもらう
- 1週間たっても痛みがまったく引かない
- 痛む場所がパンパンに腫れて、変色している
- 階段を上れないほど力が抜けてしまう
この場合は整形外科を受診し、肉離れや骨折がないか調べてもらってください。
よくある質問

Q. 筋肉痛があるときに運動しても大丈夫ですか?
軽い散歩やストレッチなど、動かしてもあまり痛くない運動なら血行がよくなるのでおすすめです。
重い物を持つ、全力で走るといった運動は、治るまで控えてください。
Q. ストレッチは1か所につきどのくらいかけますか?
1か所につき15〜20秒が目安です。短すぎると伸びきらず、長すぎると筋肉に負担がかかります。
深呼吸を3〜4回するくらいの長さ、と覚えると分かりやすくなります。
Q. マッサージ機器やローラーは毎日使ってよいですか?
機器を使っても構いませんが、時間は短めにしてください。1か所につき30秒から1分で十分です。
痛いけれど我慢する、という当て方は逆効果になります。
Q. 年齢を重ねると筋肉痛が遅れて出るというのは本当ですか?
年齢と出るまでの時間の関係は、はっきり確かめられていません。
普段の運動量が減ると、久しぶりの運動で強い痛みが出やすくなります。年齢そのものより、運動の間隔が関わっていると考えられます。
まとめ:温めて、軽く動いて、しっかり寝る
早く治そうと焦って強いマッサージや無理な運動をするのは逆効果です。
血行をうながして、ゆっくり休む。まずはここを意識してみてください。
今日からできる4つのこと
- ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
- 痛くない範囲で、家の中や外を少し歩く
- 卵や肉など、たんぱく質をしっかり食べる
- いつもより少し早めに布団に入る
尿の色がおかしい、痛みが強すぎる。そう感じたら我慢せず医療機関を受診してください。
この記事は一般的な情報の提供を目的としており、特定の治療法をすすめたり、医療的な助言を行ったりするものではありません。
症状には個人差があります。よくならない場合や不安がある場合は、速やかに医師の診察を受けてください。

