EMS機器

EMS機器とは何か。低周波治療器との違いと、正しい使い方

EMS機器の効果と使い方
jun

EMS機器は、電気で筋肉を動かす機器です。自分で運動しなくても、貼った場所の筋肉が縮んだりゆるんだりを繰り返します。

ここでよく混同されるのが低周波治療器。見た目は似ていますが、低周波治療器は痛みをやわらげる医療機器、EMS機器は筋肉を動かす機器で、目的が違うところ。

ひざや腰が痛くて運動が続かない方が座ったまま筋肉を動かしたい、という場面に向きます。この記事では、EMS機器の仕組み、向き不向き、使い方の手順、使ってはいけない人まで順に説明します。

EMS機器は、脳の代わりに電気で筋肉へ指令を送る機器

EMS(電気的筋肉刺激)の仕組み図解

まず、EMS機器が何をしている機器なのかを整理します。

自分の意思とは関係なく、筋肉を動かせる

EMSは、電気で筋肉を刺激する技術のこと。私たちが手足を動かすとき、脳から動けという電気信号が神経を通って筋肉に届きます。

EMS機器は、この脳からの指令の代わりに、機器から直接筋肉へ電気信号を送るしくみ

椅子に座って本を読んでいても、パッドを貼った部分の筋肉は電気のリズムに合わせて縮んだりゆるんだりを繰り返します。

自分の意思とは関係なく筋肉を動かせる。これがEMS機器のいちばんの特徴です。

低周波治療器との違いは、痛みか筋肉かという目的

昔からある低周波治療器とは何が違うのか。機器の見た目もパッドの貼り方も似ていますが、目指すところが別です。

比べる点低周波治療器EMS機器
主な目的痛みやこりをやわらげる筋肉を動かす
位置づけ認証を受けた医療機器家庭用・一般用の機器が中心
向く場面肩や腰の痛みが気になるとき運動不足で筋肉を動かしたいとき

痛みをやわらげたいなら低周波治療器、運動不足の筋肉を動かしたいならEMS機器という選び分けになります。

EMS機器で期待できる3つの働き

椅子に座って脚にEMSを使用する女性

電気で筋肉を動かすと、身体の側では何が起きるのか。運動不足の方に関係の深い3つを挙げます。

1. ふくらはぎの筋肉が動くと、ポンプの働きが起きる

血液を身体じゅうに巡らせているのは、心臓だけではありません。

手足の筋肉が縮んだりゆるんだりすること自体が、血液を押し戻すポンプの働きをしています。

とくにふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれる場所。運動不足で筋肉を使わないと、このポンプが働きません。

運動で筋肉が縮んだりゆるんだりすることは、血液の循環に関わります。EMS機器で筋肉を動かすのは、この動きを機器の側から起こすことにあたります。

2. こわばった筋肉が動いて、こりの感じ方が変わる

長いデスクワークや家事のあと、肩や腰がガチガチに固まった経験はありませんか。

これは筋肉が緊張したまま動いていない状態です。

EMS機器の電気刺激は、一定のリズムで筋肉を動かします。自分で動かすのが億劫なときでも、こわばった筋肉が動きます。

3. ひざや腰を曲げ伸ばしせずに、筋肉を動かせる

年齢とともに筋肉の量は自然に減っていきます(年齢を重ねて筋肉が減る状態を、サルコペニアと呼びます)。

防ぐには運動が要りますが、ひざや腰が痛いとスクワットや歩く習慣を続けるのは簡単ではありません。

EMS機器なら関節を大きく動かさずに済みます。座ったまま、狙った場所の筋肉だけを動かせます

EMS機器が向いている人と、向いていない人

EMS機器が特におすすめな人の特徴

ここまでの特徴をふまえると、向き不向きははっきり分かれます。

運動が続かない方や、自分の手が届かない場所をほぐしたい方に向く

  • 運動不足を感じているが、身体を動かすのが億劫な方。まずは座ったままできるケアから始めたい場合
  • デスクワークや家事で身体が常にこわばっている方。自分の手では届かない背中や腰を動かしたい場合
  • 夕方の足のむくみや冷えが気になる方。ふくらはぎの筋肉を動かしたい場合
  • 将来のために筋肉を保ちたい方。転倒や関節の痛みを気にせず筋肉を動かしたい場合
EMS機器の使用が向かない人の例

貼るだけで痩せることを期待している方には向かない

  • 貼るだけで体重が大きく減ると期待している方(食事の見直しとの組み合わせが必要です)
  • ぎっくり腰のような強い痛みを今すぐ何とかしたい方(まず整形外科を受診してください)

過去には、貼るだけで痩せるという根拠のない表示に対し、消費者庁から措置命令が出された事例もあります。

EMS機器はあくまで筋肉を動かす機器。体重を落とすには、食事の見直しや歩く習慣との組み合わせが要ります。

買う前に知っておきたい、良い点と注意点

EMS機器のメリットとデメリット比較表

ここまでの内容を、買う前に見比べられる形で整理します。

良い点注意点
テレビや読書をしながら使えて習慣にしやすい電気特有のぴりぴりした感覚が苦手な方もいる
ひざや腰が痛くても座ったまま使える肌に貼るパッドが消耗品で、交換の費用がかかる
自力では動かしにくい筋肉も動かせる貼るだけで痩せる、病気が治るといったことはない

ぴりぴり感は強さを下げれば和らぎます。続けるうえで実際に効いてくるのは、2つ目のパッドの費用のほうです。

EMS機器の使い方の手順と、強さの決め方

EMS機器が特におすすめな人の特徴

操作が難しそうに見えますが、やることは3つだけです。

肌を拭き、筋肉の盛り上がりに貼り、強さを合わせる

  1. 貼る場所を濡れタオルで拭く。汗や油分、保湿クリームが残っていると電気が伝わりにくくなる
  2. 筋肉の盛り上がっている部分にパッドを貼る。骨の上や関節の上は避ける
  3. 電源を入れ、強さを少しずつ上げていく

3つ目がいちばん大事なところ。強いほうが効く、という考え方は誤りです

目安は、筋肉がトントンと動いて気持ちよいと感じる強さ。痛みを感じるまで上げないでください。

入浴後や、テレビを見る時間に合わせると続けやすい

入浴後は身体が温まっているぶん、筋肉が動きやすい状態になっています。

テレビを見る時間や読書の時間に重ねると、わざわざ時間を作らずに済みます。

1か所につき1回10〜15分、1日1〜2回が目安です。

続かなくなる原因は、たいていパッドの劣化

EMS機器を買っても途中でやめてしまう方は少なくありません。原因の多くは機器そのものではなく、パッドの劣化です。

粘着力が落ちたパッドは、ぴりぴりして痛くなる

パッド(ジェルシート)は繰り返し使ううちに粘着力が落ち、汚れもたまります。

粘着力が落ちると肌との間にすき間ができ、電気が一部に集中してぴりぴりと痛くなります

痛いから使わなくなる、という流れでやめてしまうわけです。

費用を抑えて、いつも新しいパッドで使う

メーカー純正の交換パッドは数千円することもあり、負担に感じる方も多いところ。ただ、費用が惜しくてぼろぼろのまま使い続けるのは逆効果です。

最近は品質の分かる互換パッドも増えています。費用を抑えつつ、常に貼りつくパッドで使うのが続けるコツです。

低周波治療器やEMS機器用のパッドを扱う通販サイトであるRYNEXT+にも、汗をかいても使えるジェルシートがあります。なお、RYNEXT+は当サイト(ビリログ)とは別のサイトです。

RYNEXT+のジェルシートを見る

EMS機器を使ってはいけない人・状況

最後に、安全に関わる大事な決まりをお伝えします。ここだけは必ず確かめてください。

次に当てはまる方は、EMS機器を使わないでください

次の方は健康に重大な影響が出る恐れがあるため、使用しないでください。

  • ペースメーカーなど、体内に植え込んだ医療用の電気機器を使っている方。機器が誤って動く危険があります
  • 心電計など、身体に装着する医療用の電気機器を使っている方
  • 妊娠中の方、または出産直後の方
EMS機器を絶対に使用してはいけない人

同じ場所に長く使い続けると、筋肉が疲れて痛くなる

気持ちよいからと、同じ場所に何時間も使い続けるのは避けてください。

筋肉が疲れすぎて、かえってだるくなったり痛くなったりすることがあります。

1か所につき1回10〜15分、1日1〜2回を目安にしてください。

よくある質問

Q. EMS機器と低周波治療器、どちらを買えばよいですか?

今ある痛みやこりをやわらげたいなら低周波治療器、運動不足の筋肉を動かしたいならEMS機器です。

両方の機能を持つ機器もあります。迷う場合は、困っていることがどちらに近いかで決めてください。

Q. 毎日使っても大丈夫ですか?

1か所につき1日1〜2回、1回10〜15分の範囲であれば毎日でも構いません。

ただし同じ場所ばかり続けると筋肉が疲れます。だるさが残る日は間隔を空けてください。

Q. どのくらい続ければ変化を感じますか?

感じ方には個人差があり、一律には言えません。

使ったあとのすっきり感はその日から分かりますが、筋肉を保つ目的なら数か月単位で続ける前提になります。

Q. 低周波治療器のパッドをEMS機器に使えますか?

形が似ていても、端子や大きさの規格が違うことが多く、そのままでは使えません。

お使いの機器の対応機種に載っているパッドを選んでください。

まとめ:貼るだけで痩せる機器ではないが、動かせない筋肉は動かせる

EMS機器は、楽をして痩せるための道具ではありません。

ただ、運動が続かない方やこりが慢性化している方にとっては、自分では動かしにくい筋肉を動かせる機器です。

  • ふくらはぎの筋肉を動かして、ポンプの働きを起こす
  • ひざや腰を曲げ伸ばしせずに、座ったまま筋肉を動かす
  • 強さは、筋肉がトントン動いて気持ちよい程度までにする
  • パッドは消耗品と割り切り、貼りつく状態のものを使う

ペースメーカーをお使いの方など、EMS機器を使ってはいけない条件だけは先に確かめてください。

そのうえで、続けられる強さと時間で無理なく取り入れてみてください。

参考文献・参照URL

運営者
トモ
トモ
低周波治療器専門ブロガー
元工場勤務の37歳。現場作業で痛めた腰を救ってくれた低周波治療器に魅了され、専門ブログ「ビリログ」を開設。現在は大阪で2人の子供を育てる傍ら、数々のセルフケア機器を検証中。実体験に基づいた低周波治療器のレビューなどを本音でお届けします。
記事URLをコピーしました