デスクワークの肩こり対策グッズの選び方。姿勢・温め・電気刺激で分ける
デスクワークの肩こりが夕方に残る日と、翌朝まで引きずる日の違いは、原因が重なっているかどうかで決まります。
グッズを一つずつ試す前に、自分の肩こりがどこから来ているかを分けて考えると、買うものを絞れます。
この記事では、デスクワークの肩こり対策グッズを「姿勢を支えるもの」「温めるもの」「電気刺激を与えるもの」の3系統に分けて整理しました。
あわせて、仕事の合間に取り入れるセルフケアの時間配分と、受診を考える目安までまとめました。
| 系統 | 向いている場面 | 代表的なグッズ | 使う時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 姿勢を支える | 常時使う土台づくり | ノートパソコン用スタンド、腰当てクッション、足置き台 | 就業中ずっと |
| 温める | 冷えてこわばった日 | 蒸気温熱シート、温熱低周波治療器 | 15〜30分 |
| 電気刺激 | 張りが強く残る日 | 低周波治療器、高周波治療器コリコラン | 10〜15分(コリコランは最大3時間) |
読み終える頃には、売り場やネット通販で迷わずに、自分の肩こりに合うグッズの系統を選べる状態になります。
デスクワークで肩がこる3つの原因
デスクワークで肩こりが起きるときは、次の3つが同時に進んでいます。
- 長時間同じ姿勢で画面を見続ける
- 肩がすくんだままキーボードを打つ
- 空調で冷えた部屋で血流が滞る
これらが重なると、僧帽筋が張ったまま戻らなくなります。
姿勢を支えるグッズで、こりが起きにくい環境を先に作る

グッズを足す前に、こりが生まれにくい姿勢の作り方から見直してください。
基本となる姿勢は、椅子に深く腰をかけて背もたれに背をあて、足裏全体を床に接することです。厚生労働省(石川労働局)の情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン解説に示されています。
この基本が崩れたままだと、どのグッズを使っても夕方には同じ場所にこりが戻ります。
ディスプレイの位置を上げるグッズで、首を前へ傾けない
ディスプレイは、画面の上端が目の高さとほぼ同じか、やや下になる位置に置いてください。
ノートパソコンをそのまま机に置いて使うと、画面の上端が目より下に来るので、作業中は首を前へ倒した姿勢になります。
ノートパソコン用のスタンドや積み重ねられる台を使って画面を目の高さまで持ち上げると、首を倒す角度が減って僧帽筋の負担が下がります。
目線が合えば画面を見るたびに首を前へ出す癖が消えるので、1日の終わりの重だるさは今より減らせるはずです。
椅子とクッションで、背もたれと足裏の接地を確保する
椅子は、背もたれの傾きを調整できるものが望ましい形です。椅子が高くて足裏が床に届かないと、太ももの裏が圧迫されて血流が落ちます。
足元に厚みのある足置き台を置くか、椅子の高さを下げて、足裏全体を床へつけてください。
腰と背もたれの間に空間が空くときは、腰当てクッションで埋めると、背を伸ばした姿勢を保てます。
椅子を買い替えなくても、クッション1枚と足置き台で姿勢が整うので、まずここから見直すと費用をかけずに肩への負担を下げられます。
キーボードとマウスの位置をそろえて、肩のすくみを減らす
キーボードやマウスが遠い位置にあると、腕を前へ伸ばしたまま作業するので、肩がすくみ続けます。
ひじが体の横に自然に落ち、肘から先が机と平行になる位置へ、キーボードとマウスを近づけてください。
マウスは手首を反らさずに動かせる距離に置きます。
この配置に変えると、肩の上部に力が入り続ける時間が減り、同じ8時間でも肩のこりの深さが変わります。
温めるグッズで、冷えてこわばった肩をゆるめる

姿勢を整えたら、冷えて動きが悪くなった筋肉を温めるグッズを選びます。朝から肩が重い日や、冷房の下で肩がこわばる日に合う系統です。
蒸気温熱シートは、首すじから僧帽筋に沿って貼る
使い捨ての蒸気温熱シートは、服の上から貼って30分前後じんわり温める温熱グッズです。首すじから肩の付け根にかけて、蒸気温熱シートを僧帽筋の走る方向に沿って貼ると、こりのある範囲を一度に覆えます。
蒸気温熱シートは貼るだけで済むので、昼休みや会議前の数十分でも、デスクに座ったまま肩を温められます。
低温やけどを防ぐため、同じ場所に重ね貼りをせず、就寝中は使わないでください。
商品の包装と使用上の注意には、蒸気温熱シートを貼る時間と肌から外す目安が書かれているので、初めて使う銘柄では必ず目を通してください。
温熱低周波治療器は、冷えとこりが重なった日に向く
温熱低周波治療器は、パッドで温めながら電気刺激を同時に流す家庭用の管理医療機器です。
冷えてこわばった肩を先にゆるめてから電気で動かす流れになるので、朝から首すじが冷たい日や冷房の効いたオフィスで1日過ごした夕方に合います。
温熱低周波治療器を仕事中に取り入れるときに守る運用の目安は、次のとおりです。
- 温熱低周波治療器の1回の使用時間は15分前後に収める
- 1日の合計時間は機種ごとの取扱説明書で示された上限内に収める
- 温熱パッドは水洗いができない機種が多く、約30回で交換の目安になる
温熱パッドの手入れと交換の目安は機種ごとで差があります。記事末尾の低周波治療器の基礎知識の記事に機種ごとの違いをまとめたので、使う前に目を通すと消耗品の費用の見通しが立ちます。
電気刺激のグッズは、低周波治療器と高周波治療器の使い方の違いで選ぶ

電気刺激を与える家庭用機器は、低周波治療器と高周波治療器の2系統です。仕事中にも電気刺激のグッズを使いたい場合は、座ったまま続けられるかで選ぶとはずしません。
低周波治療器は、僧帽筋のまわりへ左右対称に貼るのが基本
肩こりで低周波治療器を使うときは、僧帽筋のまわりへパッドを左右対称に貼り、取扱説明書で示された時間と強さの範囲で使うのが基本の手順です。
機種ごとに差があるので、本体に付属する取扱説明書で次の3点を確かめてください。
- 肩に合う適したパッドの貼り位置の図
- パッドを貼れない部位
- 低周波治療器の1回の使用時間と1日の合計使用時間の上限
初めて使う機種では、仕事に取り入れる前にこの3点に必ず目を通してください。
この手順を守ると、仕事の合間に10分だけ使う運用でも、肩の張りが戻る日が増えます。交換用のパッドには、長く使える水洗い対応のタイプや温熱と組み合わせて使うタイプなど種類があります。
交換パッドの選び方の詳しい手順は、記事末尾で案内する低周波治療器の基礎知識の記事にまとめているので、合わせて目を通してください。
仕事の合間に低周波治療器を使い続けると、パッドの交換が定期的に必要になります。替えのパッド代を系統ごとに抑える方法は次の記事が役立ちます。

ほかのパッドを使っている人は、パッドの種類に合わせて次の記事を参考にしてください。
使っているパッドの種類は、本体の型番から取扱説明書で確かめられます。
高周波治療器コリコランは、無刺激で装着したまま仕事を続けられる
パナソニックの高周波治療器コリコランは、刺激を感じないまま高周波を流すタイプの家庭用治療器です。
パナソニックは、公式サイトのQ&Aでコリコラン本体の使い方を説明しています。使い始めは連続使用を3時間以内に抑え、徐々に体を慣らしていく手順です。
コリコランはピリピリした刺激がないので、キーボードを打ちながらや会議の最中にも装着したまま仕事を続けられます。低周波治療器との大きな違いです。
通勤時や外出時にコリコランを持ち出す場合に、公式サイトのQ&Aで事前に目を通しておく注意点は次の2つです。
- 防犯ゲートに反応する可能性があるので、持ち込める場所かを確かめる
- 本体を強く折り曲げたりねじったりしない
この2点を使い始める前に確かめておくと、仕事の行き帰りに持ち出す日も落ち着いて使えます。
貼ってはいけない部位と、連続使用の上限を先に確認する
低周波治療器も高周波治療器も、家庭用の管理医療機器です。次の方は、低周波治療器や高周波治療器を使う前に主治医へ必ず相談してください。
- 心臓ペースメーカーや植込み型除細動器を使っている方
- 妊娠中の方
- 体内に金属や人工関節がある方
肌に赤みやかゆみが続くとき、しびれや痛みが強くなるときは、機器の使用を中止します。
装着したまま眠ると機器の使用時間を自分で管理できないので、就寝中は使わないでください。
この3点を先に押さえておくと、仕事中に貼ったまま運用しても、安全に続けられます。
作業の合間のセルフケアで、グッズの効き目を伸ばす
グッズに頼る前に、作業時間の区切り方を整えると、肩こりは半分で済みます。
連続して画面に向かう時間は1時間までに収めてください。
1時間ごとに10〜15分の作業休止と、作業中にも1〜2回の小休止を入れると、肩と目に負担をためずに済みます。
これは、先に挙げた厚生労働省の情報機器作業ガイドラインに示された区切り方です。
休止中に入れる3つの動き
作業の区切りで次の動きを入れると、休止時間の効き方が変わります。
- 肩を大きく回す
- 胸を開いて肩甲骨を寄せる
- 首を左右へゆっくり倒す
温熱シートや温熱低周波治療器で肩を温めているあいだに合わせて動かすと、冷えたままストレッチするよりほぐれる感触があるはずです。
詳しい手順と順番は、肩こりのセルフケアの記事にまとめました。
肩こりが続くとき、受診を考える目安
グッズとセルフケアを続けても1〜2週間で肩こりが変わらないときや、次の症状があるときは、整形外科や神経内科で診てもらってください。
- 腕や指のしびれが出てきた
- 片側だけ力が入らない
- 頭痛やめまいが伴う
頸椎の変形や神経の圧迫が隠れていると、グッズでの対応だけでは追いつきません。
受診の線引きが分からない場合は、肩こりのセルフケアの記事にまとめた受診目安を先に見てから判断すると、迷いが減ります。
よくある質問
Q. デスクワークのグッズを買う前に見直すとよいことは何ですか?
買う前に、椅子・ディスプレイ・キーボードの位置と、連続作業時間を見直してください。
姿勢と作業時間の区切り方が崩れたままだと、どのグッズを使っても肩のこりは夕方には戻ります。
厚生労働省のガイドラインが示す基本姿勢と1時間ごとの休止を整えてから、温めや電気刺激のグッズを足していくと、同じグッズでも効き方が変わります。
Q. 温めるグッズと電気刺激のグッズは、どちらを先に使うのがよいですか?
冷えてこわばりが強い日は、先に温めてから電気刺激を使う流れが肩に馴染みます。温熱低周波治療器のように温めと刺激を同時に行う機種もあるので、1台で済ませたい場合はそちらが向いています。
張りの強さが日によって変わる場合は、朝は蒸気温熱シートで温めるだけ、夕方は低周波治療器で動かすという使い分けも試してみてください。
Q. 低周波治療器を1日中貼ったまま仕事をしても大丈夫ですか?
低周波治療器の1回の使用時間と1日の合計時間は、機種の取扱説明書で示された上限内に収めてください。
長時間貼り続けると筋肉が刺激に慣れ、効き目が感じられにくくなります。
装着したまま眠らないこと、肌の赤みやかゆみが続いたら低周波治療器の使用を中止することも、公式案内に書かれています。
まとめ
デスクワークの肩こり対策グッズは、次の3系統で選ぶと迷いません。
- 姿勢を支えるグッズ(ノートパソコン用スタンド、腰当てクッション、足置き台)
- 温めるグッズ(蒸気温熱シート、温熱低周波治療器)
- 電気刺激のグッズ(低周波治療器、高周波治療器コリコラン)
先に椅子・ディスプレイ・キーボードの位置をそろえてください。冷えがあれば温熱シートや温熱低周波治療器で肩をゆるめ、こりが重い日は低周波治療器や高周波治療器コリコランで動かす流れが無駄のない順番です。
1時間ごとに10〜15分の作業休止と休止中の肩回しを習慣にすると、グッズの効き方が変わります。
ランキングを眺めて何から試すか決まらなかった方も、ここまで読むと自分の肩こりの原因に合わせて系統を選べるはずです。グッズを買う前に姿勢と作業時間を見直す順番も、ここまでで整理できたはずです。
低周波治療器を使うときのパッドの貼り方と選び方は、低周波治療器の基礎知識の記事にまとめています。続けて読むと、グッズ選びの最後のピースがそろいます。
肩こり対策に低周波治療器を取り入れたら、続けるほど交換パッドの費用がかかります。手元の機種のパッドを安く替える方法も確かめておくと、無理なく続けられます。

ほかのパッドを使っている人は、パッドの種類に合わせて次の記事を参考にしてください。
使っているパッドの種類は、本体の型番から取扱説明書で確かめられます。
参考情報
- 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン概要(令和元年7月12日基発0712第3号)
- VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン(厚生労働省石川労働局)
- コリコランワイドQ&A(パナソニック)
- 高周波治療器 コリコランワイド EW-RA550(パナソニック 製品概要)

