低周波治療器

妊娠中に低周波治療器は使える?自己判断を避けるための確認事項

妊娠中の女性が自宅で低周波治療器の取扱説明書とパッドを確かめ、母子健康手帳を用意しているイラスト
トモ

妊娠中に肩や腰のつらさが続いていて、家にある低周波治療器を使っていいか迷っている妊婦さんは多いはずです。

結論からいうと、妊娠中の低周波治療器は自己判断で始めてよい機器ではありません。ただし使用禁止と決まっているわけでもなく、主治医の判断で低周波治療器を使えるときもあります。

取扱説明書には妊娠中は医師に相談と書かれていますが、低周波治療器を「使ってよい」なのか「使えない」なのかはそこまで書かれていません。判断材料をそろえるには、相談の前に確認すべきことがあります。

この記事では、主治医への相談が前提になる理由と貼ってはいけない部位を整理します。許可が出たときのパッドの貼り方と刺激の強さ、機器を使わない対処法もまとめました。

妊娠中の低周波治療器は、主治医への相談が前提になる

家庭用の低周波治療器を持っている妊婦さんが、肩や腰のつらさを和らげたいと考えるのは自然なことです。ただし妊娠中の使用を自己判断で始めない、というのが家庭用機器のメーカー共通の考え方です。

広く使われているオムロンの家庭用低周波治療器では、妊娠している人と出産直後の人を、使う前に医師へ相談する対象に含めています。

使用禁止と書かれているわけではありませんが、妊娠経過や体調は人によって差が大きく、家庭で自己判断できる範囲を超えるからです。

また、ペースメーカーなど体内に医用電気機器を植え込んでいる場合は、低周波治療器の機種や型番を問わず併用できません。妊娠中かどうか以前の、低周波治療器を使ってはいけない状況(禁忌)にあたる部分です。

妊婦と出産直後の人が「相談してから使う対象」に入っている理由

妊娠中はホルモンや血流の状態が変わり、皮膚の感じ方も普段とは違ってきます。

低周波治療器は皮膚に電気を流して筋肉を刺激する機器なので、いつも通りの強さでも強すぎたり、体調に影響したりする可能性が出やすい状態です。

とくに次のような状態は、主治医の判断が出るまで低周波治療器の使用を控えるべき人にあたります。

  • 切迫早産や切迫流産と診断されている
  • 妊娠高血圧症候群や、お腹の張りが続いている
  • いつもと違う痛みや性器出血がある

腰や背中の張りだと感じているものが、実際は妊娠に伴う別の原因のケースもあります。切迫早産の兆候や恥骨結合の緩みが背景に隠れていることもあるからです。

産婦人科で診てもらってからでないと、そもそも刺激を加えてよい状況かどうかの判断がつきません。

逆に、経過が順調でお腹まわりをはずして肩や太もものまわりだけに貼れるときは、主治医と相談することで低周波治療器を使えるかどうかの見通しが立ちやすくなるはずです。

主治医に伝えると判断が早い3つの情報

診察のときに医師へ伝えると、低周波治療器を使ってよいかの判断が早くなる情報は3つあります。

  • 低周波治療器のメーカーと型番
  • パッドを貼る予定の部位
  • 1回あたりの低周波治療器の使用時間と1日の回数

取扱説明書を診察に持っていけると、機器の出力や貼れる部位を医師がその場で確認しやすくなるはずです。

同じ機種でも、妊娠週数や体調、腰痛の原因によって答えは変わってきます。「ネットで安全と書いてあった」ではなく、あなたの妊娠経過を知っている主治医に判断してもらうほうが確実です。

取扱説明書の「使用上の注意」で妊娠中の記載を確かめる

主治医へ相談すると決めても、手元の低周波治療器がどう書かれている機器なのかは、取扱説明書を開かないと分かりません。

家庭用の低周波治療器の取扱説明書には、使ってはいけない人と、相談してから使う人を分けて書いた欄があります。先に読んでおくと、診察で医師と同じ資料を見ながら話せます。

妊娠中の記載は「警告」と「使用上の注意」に分かれている

妊娠中の記載を探すときは、取扱説明書の前のほうにある次の2つの欄を見てください。

欄の名前書かれていること
警告使ってはいけない人と、併用してはいけない機器
使用上の注意医師に相談してから使う人と、避ける部位

妊娠している人は、多くの機種で「医師に相談してから使う人」の側に書かれています。使用禁止ではないと分かるので、妊婦健診の予定に合わせて相談を組み込めます。

妊娠中に熱が出たときは、主治医に相談する前に使い始めないでください。体温38℃以上の発熱がある人も、薬を服用している人と同じく相談してから使う対象です。

型番から取扱説明書を見つける手順

取扱説明書を紛失していても、メーカーの公式サイトから型番で探せます。次の順で進めましょう。

  • 低周波治療器の本体の裏面か、電池ぶたの内側で型番を確かめる
  • メーカー公式サイトの取扱説明書ダウンロードのページを開く
  • 型番で絞り込み、該当する取扱説明書を保存するか印刷して診察へ持っていく

印刷したものを母子健康手帳と一緒に持っていくと、短い診察時間でも医師が低周波治療器の出力や使用時間を確認しやすくなります。

型番の印字が消えて読めない古い機器のときは、買い替える前に主治医へ相談してください。妊娠中に低周波治療器を使えるかどうかが先に決まると、買い替えの必要があるかも判断できます。

妊娠中に貼ってはいけない部位は、機器を問わず決まっている

妊娠中にパッドを貼らない部位(腹部・腰・胸・首から上)と、貼ってよい候補(肩・太もも・ふくらはぎ)を色分けした図解

主治医の許可が出たときも、妊娠中に貼ってはいけない部位はあります。

ここは機種による差がほとんどなく、家庭用の低周波治療器全体で共通する制限だと考えて差し支えありません。

腹部・腰(お腹側・恥骨まわり)は必ず避ける

いちばん大切なのは、お腹側の腹部と下腹から恥骨まわり、それに腰(腰椎)を挟むようにパッドを貼らないことです。

低周波治療器の電気は2枚のパッドの間に流れます。腹部を挟むところに貼ると子宮のあるほうへ電気が向かうので、妊娠中はこのパッドの貼り方を避けたい理由です。

腰のつらさを取りたいときも、腰椎の真上に2枚を並べません。太ももやお尻の外側など、電気の経路がお腹側を通らないところを選ぶのが基本です。

パッドを貼る前に、2枚を結んだ線が子宮を通らないかをその都度確認してください。この一手間で、意図せずお腹側へ電気を流してしまう失敗を防げます。

首から上・心臓の近く・粘膜も従来通り貼らない

妊娠中でなくても貼ってはいけない部位は、そのまま守ります。パッドを貼らない部位は次の4カ所です。

  • 頭部、顔、口の中、首から上
  • 心臓に近い胸の中央
  • 目や口などの粘膜
  • 湿疹や傷がある皮膚

左右のパッドで胸の中心を挟むような貼り方も避けます。妊娠中はこの一覧に、腹部・腰(お腹側)・恥骨まわりが追加で入る、という受け取り方が実際に近い形です。

妊娠中でないときの禁止部位の一覧は、別記事「低周波治療器を使ってはいけない人とパッドを貼ってはいけない部位、使う前の確かめ方」で整理しています。

主治医の許可が出た場合の、低周波治療器のパッドの貼り方と強さの目安

許可後に肩の後ろへパッドを対称に貼り最弱から強さを上げる家庭での使い方の図

低周波治療器を使ってよいかの最終判断は主治医が行いますが、許可が出たときでも家庭で守りたい使い方があります。

次の2点を押さえておくと、体への負担を最小限にしながら試せます。

パッドは肩や太もも・ふくらはぎに限定する

貼る部位はお腹から離れたところだけに絞ります。肩の後ろ側(僧帽筋)、太ももの前後、ふくらはぎが候補です。

左右で対称に2枚貼り、電気が背中や腹部を横切らないところを選んでください。

腰痛がつらいときも腰椎の真上には貼りません。太ももやお尻の外側に貼ると、電気の経路をお腹側から遠ざけられます。

肩や太ももに絞っておくと、家事や仕事の合間に短い時間だけ使うといった付き合い方ができます。腰そのものを直接刺激しなくても、まわりの筋肉をほぐすことで腰の張り方が変わるはずです。

強さは最弱から始めて、心地よい範囲で止める

強さは必ず最も弱い段階から始め、ピリピリと心地よく感じるところで止めましょう。妊娠中は皮膚の感じ方が普段と違うため、いつもの強さでも強すぎることがあります。

1回の低周波治療器の使用時間は、取扱説明書に書かれた目安を超えないようにしてください。目安の時間は機種によって違います。

同じ部位へ続けて長い時間流すのは避けましょう。物足りなく感じても、時間を延ばして補わないほうが安全です。

途中で体調に少しでも違和感が出たら、その場で電源を切ります。「もう少し我慢すれば効く」と続けないことが、家庭で自分と赤ちゃんを守るいちばんの判断です。

妊娠中の肩・腰のつらさを和らげる、機器以外の方法

低周波治療器が使えない期間や、主治医の許可が出るまでの間も、肩や腰のつらさを軽くする方法はあります。

機器に頼らなくても選べる手段を、先に確保しておくと安心です。

温める・姿勢を変えるだけでも負担は減る

肩や首まわりは蒸しタオルで温めるとよいです。入浴のときに肩まで湯につかるだけでも、電気刺激を使わず血流を助けられます。

デスクワークが続くときは、30〜40分に1回立ち上がり、肩を後ろに大きく回して背中を伸ばすだけでも張り方が変わってきます。

詳しい順番は肩こりのセルフケア手順のガイドにまとめました。

温めるときも、腹部や腰(お腹側)への長い時間の熱刺激は避けます。妊娠中は熱がこもりやすい姿勢を続けないほうが安心です。

産婦人科・整形外科・助産師外来に相談できる

腰のつらさが強い、しびれや歩きにくさがあるときは、産婦人科や整形外科で診てもらうのが安全な選択です。

助産師の外来がある病院や、妊娠中のマイナートラブルに対応する理学療法士がいる施設もあります。市販の機器を自分で試すより、専門家に体の状態を見てもらうほうが結果的に早く楽になることが多いです。

「低周波治療器が使えないから何もできない」と考えず、相談できる先を知っておくと、我慢して悪化させることを防げます。

低周波治療器の使用を中止して、主治医に連絡したほうがよいサイン

低周波治療器を使ったあとや使用中に次のような変化があったときは、その日のうちに主治医へ連絡します。

  • お腹の張り、腹痛、性器出血
  • いつもと違う胎動の変化
  • 頭痛やめまい
  • パッドを貼った皮膚のかぶれや強い赤み

低周波治療器の使用が直接の原因とは限りませんが、妊娠中の体調の変化は原因の切り分けが難しいので、まず産婦人科へ伝えるのが先です。

連絡するときは、使った低周波治療器の機種・貼った部位・強さ・使用時間を伝えると診察がスムーズになるはずです。

よくある質問

Q. 妊娠初期でも取扱説明書に医師相談と書かれた低周波治療器は使えますか?

低周波治療器を使えるかどうかは主治医の判断になります。妊娠初期はとくに経過を慎重に見る時期なので、腹部や腰を避ける前提でも、自分で決めず妊婦健診で相談してください。

Q. 妊娠中に肩だけへ低周波治療器を貼るなら自己判断で使っていいですか?

肩の後ろ側は電気の経路がお腹から離れるところですが、家庭用機器のメーカーは部位を問わず、妊娠中の人を「使う前に医師へ相談する対象」に含めています。肩だからと自己判断で始めないほうが安全です。

Q. 出産後はすぐに低周波治療器を使い始められますか?

出産直後の人も、家庭用機器のメーカーが医師へ相談する対象に含めています。体の回復のようすや授乳の有無で判断が変わるので、産後健診で主治医に確認してから再開してください。

Q. 妊娠中でも低周波治療器を貼ってよい部位はありますか?

主治医の許可が出た場合、肩の後ろ側・太もも・ふくらはぎなど電気の経路がお腹を通らない部位が候補になります。腹部・腰(お腹側)・恥骨まわりは、許可後も貼らない部位です。

まとめ

妊婦が低周波治療器を使えるかどうかは、主治医に相談してから判断します。使用が禁じられているわけではなく、経過が順調なら許可が出ることもありますが、家庭での自己判断は避けてください。

今日確認しておきたいのは次の4点です。

  • 妊娠中と出産直後は、家庭用機器のメーカーが「使う前に医師へ相談する対象」に含めている
  • 相談の前後を問わず、腹部・腰(お腹側)・恥骨まわり・首から上・心臓の近くには貼らない
  • 主治医の許可が出たときも、貼る部位は肩や太もも・ふくらはぎに絞り、最弱から始める
  • 体調の変化や刺激への違和感が出たら、その場で使用を止めて産婦人科へ連絡する

妊娠中の肩や腰のつらさは、無理に我慢し続ける必要はありません。取扱説明書と使いたい機器を持って、次の妊婦健診で主治医に相談してみてください。

仕組みから確認したいときは、低周波治療器の基礎知識ガイドもあわせて見ておくと役立ちます。主治医との会話が具体的になるはずです。

主治医に使ってよいと確かめた人や、家族の低周波治療器のパッドを替える人は、次の記事を参考にしてください。

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ほかのパッドを使っている人は、パッドの種類に合わせて次の記事を参考にしてください。

使っているパッドの種類は、本体の型番から取扱説明書で確かめられます。

参考情報

運営者
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トモ
低周波治療器専門ブロガー
元工場勤務の37歳。現場作業で痛めた腰を救ってくれた低周波治療器に魅了され、専門ブログ「ビリログ」を開設。現在は大阪で2人の子供を育てる傍ら、数々のセルフケア機器を検証中。実体験に基づいた低周波治療器のレビューなどを本音でお届けします。
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