低周波治療器

金属インプラントがある人は低周波治療器を使える?手術後の確認手順

体内金属の図と家庭用低周波治療器、受診前の確認リストを並べた机の上のイラスト
トモ

骨折や関節の手術でボルトや人工関節が入っている人は、低周波治療器を使って良いのか迷うことでしょう。体の中の金属に電気が流れて大丈夫なのかが分からないからです。

自己判断のまま使うと、痛みや腫れが強くなることもあります。かといって、こわくて使えないままでは家でできるケアも増えません。

体内に金属があるかどうかだけで、低周波治療器を使える・使えないは一律に決まりません。金属の部位、パッドを貼りたい場所との距離、手術後の経過をあわせて見きわめてください。

この記事では、家で揃える3項目と主治医への聞き方、使用をやめる目安を整理します。受診の前に手元をそろえておけば、低周波治療器を家で使える範囲まで主治医と決められます。

低周波治療器と体内金属の関係は、取扱説明書と主治医で先にたしかめる

体内に金属が入っている人は家庭用低周波治療器を使う前に主治医に相談してください。

手術で金属が入ったいきさつを詳しく知っているのは、手術をした医師です。自己判断で使うと、電気の刺激が金属の近くを通ることもあります。

また、取扱説明書には、医療機器のメーカー製品ごとに「使用してはいけない人」の一覧を載せています。

その結果、痛みが強くなる・腫れる・しびれるなどのトラブルが起きる場合も少なくありません。先にすませておけば、低周波治療器を自宅で使える範囲まで具体的に決められます。

体内に金属や人工関節がある人が受診前に確かめる3項目と、主治医への聞き方

体内金属がある人が受診前に家で確かめる3項目を示したイラスト

低周波治療器を使うかどうか決める前に、家で自分で確かめられることが3つあります。

この3項目を埋めてから受診してください。主治医の判断が早くなり、低周波治療器を家で安全に使える範囲まで、その場で決めやすくなります。

使っている低周波治療器の取扱説明書で「使用してはいけない人」を読む

家にある低周波治療器の型番を控え、取扱説明書か、メーカー公式サイトにある機種ごとの電子書類(PDF)を開いてください。

取扱説明書の「安全上のご注意」には、次の人は医師と相談して使用してくださいという一覧があります。体内植込み型の医用電気機器を使う人や、体内に金属が入っている人もここに並びます。

書かれた条件へ自分があてはまるかを、ひとつずつ照らし合わせておきましょう。あてはまる項目に印をつけて受診にもって行くと、主治医への説明がみじかい時間ですみます。

取扱説明書をなくしているときは、オムロンヘルスケアの機種別ダウンロードページから電子書類の再取得ができます。型番は本体の裏や電池ぶたの内側のラベルで確かめてください。

体内金属がいつ・どこに・どの手術で入ったかを主治医に伝える

手術で入れた金属の種類と部位、手術を受けた年月日、あとで抜く予定があるかを書き出してから主治医に伝えます。

金属の種類はプレート・ボルト・人工関節・ワイヤーなどがあり、多くはチタンやステンレスの合金でできています。材料や形状によって、外からの電気刺激への配慮が変わる場合もあるためです。

低周波治療器を家で使いたい希望と、パッドを貼りたい部位もあわせて伝えます。低周波治療器を使ってよいかどうか、避けるべき条件がないかを主治医に判断してもらってください。

手術直後にもらった診療情報提供書や退院時の書類にも、金属の情報が書かれている場合もあります。別の病院で相談するときも、書類をもって行けば具体的な情報が主治医に伝わりやすくなります。

パッドを貼りたい部位と体内金属の位置が離れているかを主治医に図で示す

パッドを貼りたい部位を、簡単な図か写真で主治医に見せます。腰に金属が入っている人が肩へ貼るときも、自己判断では使わないでください。

通電の経路が体を横断する可能性まで含めて、意見を求めておくのが大事です。はなれているつもりでも通電経路が金属の近くを通る例を、図があれば主治医が具体的に示せます。

主治医への聞き方は、機器と部位と使う時間を入れる

手元の準備がそろっても、聞き方があいまいだと「様子を見ましょう」で終わってしまうことがあります。

知りたいのは低周波治療器を使ってよいかどうかと、使ってよい場合の条件です。

場面をしぼって聞けば、主治医も具体的に答えられます。次の4つは、受診でそのまま口に出せる聞き方です。

  • 家庭用の低周波治療器を右肩に15分ほど使いたいのですが、続けても大丈夫でしょうか
  • 腰にボルトが入っています。腰からはなれた肩に貼る場合も、避けたほうがよいですか
  • 低周波治療器を使ってよい場合、1日に何回まで、1回何分までにしておけばよいですか
  • どんな症状が出たら、すぐにやめて受診したほうがよいですか

機器の種類、貼りたい部位、使いたい時間の3つを入れるのがこつです。この3つがそろうと、返ってきた答えがそのまま家での低周波治療器の使い方になります。

低周波治療器を使ってよいと言われたときに、あわせて決めておくこと

低周波治療器の使用許可が出たら、その場で次の4つまで決めておきましょう。家に帰ってから迷わずにすみます。

  • パッドを貼ってよい部位と、避ける部位
  • 1回の時間と、1日の回数
  • 使わない日をつくるかどうか
  • やめて受診する症状の目安

決めた内容をメモにして持ち帰ると、家族が使うときもおなじ判断でそろえられます。次は、許可が出たあとでも守りたいパッドの貼り方です。

低周波治療器のパッドは金属のある部位に貼らない

低周波治療器のパッドを金属のある部位に貼らないことを示した図解

低周波治療器のパッドは、体内に金属が入っている部位そのものには貼ってはいけません。金属の位置とパッドを貼りたい部位がはなれているときも、使用前に医師の確認をかならず取ります。

金属の上に直接貼らない、はなれた部位でも医師の確認を挟む。この二段構えを低周波治療器の使い方としてまもってください。

ほかのメーカーの家庭用機器でも、取扱説明書で体内金属を医師相談の対象に挙げているものが多く見られます。

型番ごとの取扱説明書とメーカーのよくある質問で使用条件を確かめる

オムロン家庭用低周波治療器の主力ラインナップであるHV-Fシリーズは、機種ごとに取扱説明書が公開されています。使用条件は型番ごとに違うので、自分の機種の説明書を読みましょう。

先にすませておけば、低周波治療器を自宅で使える貼り方と使えない貼り方を、迷わず区別できます。

おなじ内容は、オムロンヘルスケア公式のよくある質問集(FAQ)「体内に人工関節や金属などが入っている場合は使えますか?」にも案内されています。

低周波治療器を使ってはいけない人と、医師相談が必要な人を家庭で見分ける

金属以外にも、家庭用低周波治療器を使ってはいけない条件があります。あてはまる項目が1つでもあれば、その日は低周波治療器を使わない選択が安全です。

体調の変化にあわせて、月に1回はこの条件を見直しておきましょう。

低周波治療器を絶対に使わない条件

ペースメーカーや除細動器などの体内植込み型医用電気機器を使っている人は、絶対に低周波治療器を使わないでください。心電計などの装着型医用電気機器を使っている人も、おなじく低周波治療器の使用禁止です。

ほかの医療機器の誤動作につながる可能性があるためです。生命維持用の医用電気機器を使っている家族とおなじ部屋で使うときは、機器から距離を取ります。

低周波治療器を医師と相談してから使う条件

オムロン公式では、次の人が医師相談の対象に挙げられています。

  • 医師の治療を受けている人
  • 体に異常を感じている人
  • 悪性腫瘍のある人
  • 心臓や脳神経に異常のある人
  • 妊娠している人

上の条件は、電気の刺激で体調が急に変わるおそれがある人が中心です。

  • 感染症のある人
  • 皮膚の感覚が鈍い人
  • 脊椎の骨折など急性疾患のある人
  • 薬を服用している人
  • 体内に金属が入っている人

オムロン公式が挙げる医師相談の対象は、全部で19項目あります。持病や飲んでいる薬まで含むので、自分は関係ないと思っていた人があてはまる場合も少なくありません。

1つでもあてはまる場合は、主治医に低周波治療器の使用可否を相談してから使ってください。受診のときにあてはまる項目へ印をつけてもって行くと、判断の材料がみじかい時間で共有できます。

低周波治療器のパッドを貼ってはいけない場所

低周波治療器のパッドを貼ってはいけない場所は、次のとおりです。

  • 首から上(頭・顔・目・口の周辺)
  • 胸の心臓側
  • 頸動脈のまわり

ここは臓器や大きな血管に近く、通電の影響が体全体に及びやすい場所です。

  • 皮膚に傷や湿疹がある場所
  • 粘膜
  • 生殖器
  • 体内金属のある場所
  • 手術跡そのもの

避けたい場所を家族の見えるところに書き出しておくと、まちがって貼るのを防げます。付箋やメモを機器の収納場所へ貼る運用は、家族全員がおなじ判断で使うために役立つ工夫です。

手術後の患部に低周波治療器を使いたいときの判断手順

骨折や関節の手術後、痛みが残る部位に低周波治療器を使いたいという相談は少なくありません。手術後の患部は、日ごとに状態が変わります。

そのため、時期と症状によって低周波治療器を使えるかどうかが分かれます。

手術跡の傷、腫れ、熱感、強い痛みがある間は使わない

創部がふさがっていない・赤みや腫れが引いていない・押すと強く痛む・熱を持っているのいずれかが残る間は低周波治療器を使わないでください。

感染や炎症が悪化する可能性があるためです。抜糸後も、皮膚が薄く新しい間はパッドの粘着で傷ができることがあります。

さわって違和感がなくなってから、低周波治療器の使用可否を再判断しておきましょう。

リハビリで通院中の人は担当医と理学療法士に併用の可否を聞く

リハビリで通院中の人は、担当の整形外科医と理学療法士に家庭用低周波治療器の併用の可否を聞いてください。貼る部位、使う時間、避ける時間帯まで、その場で聞いておきます。

リハビリ内容と重ねると刺激が強くなりすぎることもあり、専門職の判断が必要になるためです。併用が認められたら、リハビリの日は低周波治療器を10分ほどで短めに切り上げるなど、負担を分ける工夫もできます。

おなじ部位へ集中して刺激が入らないよう、パッドを貼る位置や時間帯をずらすようにしましょう。

感覚が鈍い部位には低周波治療器を使わない

手術後にしびれや感覚のにぶさが残る部位には、低周波治療器のパッドを貼りません。刺激の強さを正しく感じ取れず、皮膚のやけどや刺激過多に気づきにくいためです。

感覚がもどってから、主治医にあらためて確認して、低周波治療器を使ってよいかを決めます。

低周波治療器を使い始めたあとの体調変化と、使用を中止する目安

使用中止の目安を家でメモに残す様子のイラスト

低周波治療器を使い始めたあと、次のいずれかが起きたら低周波治療器の使用を中止してください。症状が続くようなら主治医に相談しましょう。

  • パッドを貼っていた部位の強い赤みや発疹
  • 低周波治療器を使う前より痛みや腫れが悪化した状態
  • 体内金属のある部位のうずきや熱感
  • しびれや脱力感の増加
  • 動悸や気分不良

1度で判断がつかないときは、むりに続けず数日あけて、症状が消えてから低周波治療器を使ってよいかをもう一度確かめます。

おなじ症状がくり返す場合は、その低周波治療器の使い方や部位はいったんあきらめ、主治医の判断を仰いでください。

使ったときの記録が、次の受診でそのまま材料になる

使った日・貼った部位・感じた症状をメモに残すと、次の受診で経過を正確に説明できます。

スマートフォンのメモアプリや家族と共有できるカレンダーへ書けば、あとでふり返るときにさがしやすくなります。メモに残すのは、使った日と時間・貼った部位・強さの目盛り・出た症状の4つだけです。

4つがそろっていれば、低周波治療器のどの使い方で症状が出たのかを主治医がたどれます。時間を短くする、貼る部位を変えるなど、次に試す調整も決まりやすくなります。

よくある質問

Q. 手術で入れたボルトの上に低周波治療器のパッドを貼ってよいですか?

低周波治療器のパッドは、体内に金属が入っている部位そのものには貼ってはいけません。金属の位置とパッドを貼りたい部位がはなれている場合も、使用前に医師の確認をかならず取ってください。

Q. ペースメーカーを使う家族と同じ部屋で低周波治療器を使ってよいですか?

生命維持用の医用電気機器を使っている家族とおなじ部屋で低周波治療器を使うときは、機器から距離を取ります。ほかの電気機器がうまく動かなくなるのを避けるためです。

Q. 手術跡が触っても痛くなくなったら低周波治療器を使ってよいですか?

抜糸後も、皮膚が薄く新しい間はパッドの粘着で傷ができる場合があります。さわって違和感がなくなってから、主治医に相談して低周波治療器の使用可否を再判断してください。

まとめ

体内に金属や人工関節がある人が家庭用低周波治療器を使うかどうかは、次の3点を主治医に伝えて、判断してもらうのが基本です。

主治医と共有する3点

取扱説明書、体内金属の情報、パッドを貼りたい部位の3点を主治医と共有しましょう。金属のある部位にはパッドを貼らず、はなれた部位に貼るときも医師確認を先に取ります。

ペースメーカーなど体内植込み型の医用電気機器がある人は、家庭用低周波治療器を使えません。

手術後の患部と体調変化への対応

手術後の患部は、傷や腫れが引かない間、感覚がにぶい間には低周波治療器を使いません。通院中の人は、担当医と理学療法士に低周波治療器の方針を聞いておきましょう。

使い始めたあと、強い赤み、痛みの悪化、金属部のうずきが出たら、すぐ低周波治療器の使用をやめて相談してください。

自分の機種と体の状態を先に整理してから受診すれば、主治医の判断が早くなります。低周波治療器を家で使える範囲まで、その日のうちに具体的に決められるはずです。

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使っているパッドの種類は、本体の型番から取扱説明書で確かめられます。

参考情報

運営者
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低周波治療器専門ブロガー
元工場勤務の37歳。現場作業で痛めた腰を救ってくれた低周波治療器に魅了され、専門ブログ「ビリログ」を開設。現在は大阪で2人の子供を育てる傍ら、数々のセルフケア機器を検証中。実体験に基づいた低周波治療器のレビューなどを本音でお届けします。
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