低周波治療器

低周波治療器とEMS機器は何が違う?目的・刺激・選び方を比較

TENSとEMSの目的と刺激対象の違いを左右で対比した解説イラスト
トモ

肩や腰のこりがつらくて家庭用の電気治療器を探すと、低周波治療器とEMS機器の2種類に必ず行き当たります。どちらもパッドを貼って電気を流す点は同じで、見た目もよく似ています。

ただ、痛みをやわらげたい人が筋トレ用のEMS機器を買ってしまうと、期待した「こりのほぐれ」は得られません。逆に体を引き締めたい人が低周波治療器を買っても、筋肉を鍛える設計ではないので狙いに合いません。

この記事では低周波治療器とEMS機器を比較します。着目点は目的・医療機器としての位置付け・刺激の届け方・表示できる効能効果の4点です。

そのうえで、買う前にパッケージや商品ページのどこを見れば自分の悩みに合う機器を選べるのか、確認手順を3つに分けて整理しました。

低周波治療器とEMS機器は、そもそも目的が違う

低周波治療器は痛みの緩和、EMS機器は筋肉トレーニングという目的の違いを示す構図

低周波治療器とEMS機器は、どちらも電気で体に刺激を与えますが、狙いがはっきり違います。痛みをやわらげるのか、筋肉を動かすのかを最初にそろえておくと、あとの比較が読みやすくなります。

低周波治療器は痛みやこりをやわらげる機器

家庭用低周波治療器は、パッドから弱い電気を流して使う家庭向けの医療機器です。オムロンなどのメーカーが販売しており、量販店では医療機器コーナーに並んでいます。

狙いは、感覚神経に電気を届けて痛みやこりの感じ方をやわらげること、そしてパッド周囲の血流を促して筋肉のこわばりをほぐすことです。

EMS機器は筋肉を電気で動かして鍛える道具

EMSは電気的筋肉刺激を意味する略語です。EMS機器は、運動神経に電気を届けて筋肉を強制的に収縮させます。

腹筋パッドやシックスパッドのような商品名で売られているものが代表例です。目的は、運動の代わりに筋肉を動かすことや、姿勢を保つ筋肉の衰えを補うことにあります。

自分で運動するのが難しい時間帯の補助として使う設計です。デスクワークや家事の合間に、狙いの筋肉を動かす目的で選ぶ機器と考えてください。

医療機器としての位置付けが違う

同じように電気を流す機器でも、法律上の扱いが分かれます。ここが「表示できる効能効果」と「機器としての信頼性」に直結するので、選ぶ前に必ず押さえておきたい部分です。

家庭用低周波治療器は管理医療機器として認証を受けている

家庭用低周波治療器は、医薬品医療機器等法で「管理医療機器」に分類されます。国が定めた認証基準に沿い、出力の上限、パッド性能、安全装置などの検査を通ったものだけが販売できる仕組みです。

パッケージには「管理医療機器」「医療機器認証番号」の表記が必ず入ります。

ここが確認できる機器は、痛みを扱う用途で使う前提の設計になっていると判断できます。買う前に自分でチェックできる、一番確実な目印です。

EMS機器は医療機器のものと雑貨のものがある

EMSと書かれている商品には、大きく2種類が混在します。

一つは「家庭用EMS運動機器」として管理医療機器の認証を受けたものです。もう一つは、認証を受けていない一般家電・雑貨として売られているものです。

認証を受けたEMS機器は、筋肉の運動を目的とした医療機器として扱われます。雑貨のEMS機器に書けるのは「筋肉に電気刺激を与える」といった機能説明だけです。

同じ「EMS」の言葉でも中身は違うので、パッケージの表記まで確認する習慣を付けておくと、目的とずれた買い物を防げます。

電気の当て方と刺激感が違う

低周波治療器とEMS機器の周波数の波形と、感覚神経・運動神経の対象の違いを示す図解

低周波治療器とEMS機器は、電気を届ける対象が違います。両者は使う周波数の帯域も違い、貼ったときの体感が大きく変わります。

事前に感覚の違いを知っておくと、店頭で試したときに戸惑いません。

低周波治療器は感覚神経、EMS機器は運動神経に電気を届ける

低周波治療器は、その名のとおり低い周波数の電気で、主に感覚神経を刺激します。感覚神経に働きかけると痛みの信号が脳に届きにくくなり、痛みが軽く感じやすくなる仕組みです。

EMS機器は運動神経を狙うので、幅広い周波数を使い、筋肉そのものを縮ませる強さで電気を流します。

狙いが違うので、同じ場所に貼っても得られる感覚が変わります。肩や腰のこりを目的にするなら低周波治療器、筋肉を動かしたいならEMS機器、と最初から分けて選ぶのが自然です。

低周波治療器とEMS機器を使ったときの感覚の違い

低周波治療器はピリピリ、トントンといったマッサージのような刺激で、心地よい範囲で強さを調整して使うのが基本です。

EMS機器は筋肉がビクッと縮む感覚が中心で、腹筋をしたときに近い体の動きが出ます。

肩や腰のこりを楽にしたい人がEMS機器を買うと、狙った「ほぐれる感じ」ではなく「筋肉が勝手に動く感じ」ばかりが強く出るので、目的とずれた結果になりがちです。

試すときは体感の違いを覚えて選ぶと、失敗しにくくなります。

低周波治療器の1日の使用時間の上限を守る

家庭用低周波治療器の使用時間には、機種ごとに上限があります。オムロン公式のよくある質問によると、同社の家庭用低周波治療器では、タイマー設定が15分の機種で1日30分、タイマー設定が30分の機種で1日60分が上限の目安です。

皮膚への負担を避けるため、上限を超えないように使ってください。

表示できる効能効果が違う

パッケージや商品ページに書ける効能効果は、法律で機器の分類ごとに決まっています。自分の悩みに合う機器かどうかを判断する材料は、この効能効果の欄です。

家庭用低周波治療器に書ける代表的な効能効果は、次のとおりです。

  • 疲労回復
  • 血行促進
  • 筋肉の疲れをとる
  • 筋肉のこりをほぐす
  • 神経痛・筋肉痛をやわらげる(緩解)
  • 胃腸の働きの活発化
  • マッサージ効果

機器の分類ごとに書ける内容が違うので、次の表で並べて比べます。

機器の分類表示できる主な内容
家庭用低周波治療器疲労回復・血行促進・筋肉のこりをほぐす・神経痛・筋肉痛をやわらげる(緩解)など
管理医療機器のEMS運動機器筋肉を運動させることが目的で、痛みをやわらげることは主目的にできない
雑貨扱いのEMS機器医療的な効能効果は書けず「筋肉に電気刺激を与える」などの機能説明のみ

肩こりや腰痛をやわらげたいなら、「筋肉のこりをほぐす」「神経痛・筋肉痛をやわらげる(緩解)」の言葉があるかを確認してください。分類の欄と効能効果の欄が一致して初めて、狙いに合う機器と判断できます。

買う前に確認したい3つの認証情報

低周波治療器かEMS機器かを買う前に確認する3つの認証情報を並べたチェックリスト構図

同じ売り場に並んでいても、低周波治療器かEMS機器か、医療機器か雑貨かで用途が変わります。値段や見た目で選ぶ前に、次の3点をこの順で確認してください。

ネット通販でも、商品ページの「仕様」欄で必ず確かめられます。

パッケージの分類の表記を見る(管理医療機器か雑貨か)

まずパッケージ表面か商品ページの仕様欄で、「管理医療機器」「医療機器認証番号」の記載を探してください。この2つが揃っていれば、認証基準を通った機器と分かります。

ないときは雑貨扱いで、医療的な用途を期待しないほうがよい機器と判断できます。ここまでが、機器選びの判断の半分です。

パッケージの効能効果の記載を見る

次に、効能効果の欄を読みます。肩こり・腰痛・神経痛をやわらげたい人は、「筋肉のこりをほぐす」「神経痛・筋肉痛をやわらげる(緩解)」の言葉があるかを確認してください。

運動不足を補いたい・お腹まわりを引き締めたい人は、「筋肉を運動させる」の言葉が入っているEMS運動機器を選びます。

両方書かれている機種は、モードで切り替えて使う想定です。自分の主目的がどちらかを先に決めてから機種の欄を読むと迷いません。

パッケージの認証番号または承認番号を見る

最後に、認証番号(数字とアルファベットの並び)を確認してください。管理医療機器の認証番号は、パッケージ側面か商品ページの仕様欄に必ず載っています。

番号が書かれていない、または「医療機器ではありません」の表示があるときは、雑貨扱いのEMS機器と考えられます。

用途を痛みの緩和に置くなら、番号のある機種を選んでください。この1つを見るだけで、狙いから外れた買い物を防げます。

目的別に低周波治療器とEMS機器のどちらを選ぶかの目安

自分の悩みに置き換えて選ぶと迷いにくくなります。悩み別に、低周波治療器とEMS機器のどちらが向くかを次のとおり整理しました。

  • 肩こり・腰痛・神経痛など「痛みをやわらげたい」とき:家庭用低周波治療器が向きます。デスクワークの合間に貼りたい人には、コードレスタイプの機種を選ぶと、服の下に隠して使えます。
  • 運動不足を補いたい・お腹まわりを引き締めたい・産後の腹筋を戻したいとき:EMS運動機器が向きます。腹筋パッドタイプは服の下に貼っておけるので、家事や在宅勤務の合間に動かせます。
  • 両方の悩みを持っているとき:痛みが強い時期は低周波治療器、体調が落ち着いたら運動不足対策にEMS機器、と使う時期で分けると無理がありません。

自分の主目的が「痛み」か「筋力」かを最初に決めれば、機種は迷わず絞り込めます。悩みが2つあるときは、期間で使い分ける前提で選ぶと1台で足ります。

よくある質問

低周波治療器とEMS機器を検討している人から届く疑問を、3つに絞ってまとめました。

Q. 低周波とEMSの機能を1台で切り替えられる機器はありますか?

家庭用の中には、低周波モード(マッサージ)とEMSモード(筋肉刺激)を切り替えられる機種があります。

管理医療機器の認証を受けたうえで両モードを備える機種を選べば、痛みのケアと筋肉刺激を1台で使い分けられます。どちらのモードも、パッケージに書かれた効能効果の範囲内で使ってください。

Q. EMS機器を肩に貼れば肩こりは楽になりますか?

雑貨扱いのEMS機器は、肩こりの緩和を目的にしていないので、期待するほぐれ感は得にくいです。

肩こりや神経痛をやわらげたいときは、効能効果に「筋肉のこりをほぐす」「神経痛・筋肉痛をやわらげる(緩解)」と書かれた家庭用低周波治療器を選んでください。

Q. 低周波治療器やEMS機器を使わないほうがよい人はいますか?

心臓ペースメーカーなど植込み型の医用電気機器を装着している人は、低周波治療器とEMS機器のどちらも使う前に医師へ相談してください。

妊娠中の人や、電気機器の使用に不安がある持病を持つ人も同じです。

使用中に痛みや発赤、しびれなど体に不調が出たときは、機器の使用を中止して医療専門職に相談してください。

まとめ

低周波治療器とEMS機器は目的の違いで選び分けます。痛みをやわらげる機器か、筋肉を動かす機器かの区別です。

判断の順番は次の4段階です。

  • 目的:痛みをやわらげたいか、筋肉を動かしたいかを決める
  • 分類:管理医療機器か雑貨かをパッケージで確認する
  • 効能効果の記載:自分の悩みに合う言葉が書かれているか読む
  • 認証番号:番号のある機種を選ぶ

この順で確認すれば、パッケージのキャッチコピーだけで買って狙いとずれる、という失敗を防げます。肩こりや腰痛をやわらげたい人は、低周波治療器の中から使い方に合う機種を選んでください。

読み終えたあと、家にある機器のパッケージを開いて分類の欄と認証番号を見直してみてください。手元で確かめる時間をつくれば、次に買うときの目のつけどころも自然と身についていきます。

次に読むと理解が深まる関連記事を、目的別に整理しました。

自分の悩みに近いほうから読み進めて、次の一手を決めてください。

低周波治療器をすでに使っていて、パッドの替えを探している人は、次の記事を参考にしてください。

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ほかのパッドを使っている人は、パッドの種類に合わせて次の記事を参考にしてください。

使っているパッドの種類は、本体の型番から取扱説明書で確かめられます。

参考情報

運営者
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トモ
低周波治療器専門ブロガー
元工場勤務の37歳。現場作業で痛めた腰を救ってくれた低周波治療器に魅了され、専門ブログ「ビリログ」を開設。現在は大阪で2人の子供を育てる傍ら、数々のセルフケア機器を検証中。実体験に基づいた低周波治療器のレビューなどを本音でお届けします。
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